閉じられた家
切り抜いておいた新聞記事を読み返していたら「自分だけの世界」を作ろうとする建築についてのコメントがあった。
実は私も気になっていたところ。
特に最近の若い家族をターゲットにした「狭小住宅」を特集した本を見ると、必ず何軒か掲載されている。外に対しては塀やルーバーを張り巡らし、中庭やデッキを充実させている間取りと思っていただければよい。
こんな時代だから自己防衛も必要ではあるが、逆に家の中に「死角」を作っているように感じてしまう。
何よりそこまで街、あるいは近隣を否定するのはどうだろう?
実際に街を歩いて、そういう家に出会うと見るのさえ拒絶されたようで身構えてしまう。
「見て見ないふり」をするのが紙と木で作られた日本家屋の特徴であり、何かあれば気配を聞きつけて手助けもできた。それが疎ましい時代になってしまったのだろうか。
何より住宅は個人のものだけれど、街の一部である。そのことを認識している人が少ないのかもしれない。
やはり、これも難しい問題なのだ。
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