ブームではなく
新聞を読んでいたら「戦争・戦後なき昭和ブーム」と書かれていた。
確かに。「昭和ブーム」とはいっても取り上げられるのは戦後の高度成長期が中心。
が、昭和は長い。個人的には「戦前」という時代が興味深い。
少し前までは「戦前」を知る人のインタビューもそこそこあって楽しみだったが、最近はそういった方の訃報に接することが多く、なんとも残念である。ともあれ、当時の日本は教養の上に文化があった。なにも経済市場が悪いとは言わないが、もしも戦争がなかったら・・・と考えると知らずのうちに溜息が出る。
特に東京は戦前後で随分と様相が変わったので、完璧な3代目とは言わないが、2.5代目ぐらいを自認する者としては戦前抜きの昭和なんて短いなぁ、と思ってしまう。
最近、知人の家から彼女のお祖父さんが戦前に使っていたものが出てきて仰天したのだが、東京という場を考えると、よくぞ戦争の最中に残ったと感慨深いものがあった。来歴がハッキリしてるだけに「ひょっとしたら一緒に疎開したのかもしれないね」という会話も交わしたが、他者からみればただの「古いモノ」。その温度差がもどかしいが、立ち止まる時間も取りにくいこの時代では、仕方ないのかもしれない。
余談ながら我が祖母は関東大震災の経験者。戦前生まれの人間は逞しいです(^^;
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コメント
こんにちは。
「三丁目の夕日」が映画化されたりしてレトロブームなのだなと思いますが、確かに戦争なきブームですね。
私どもの中でも昭和はブームですが、おかげで戦争で失ったもの・戦争によって変化したものが何なのか、戦後これに取り組んだ人はどんな思いだったのだろうと、強く意識するようになりました。
せっかく昭和の”古き良き”部分が注目されているのですから、平和であることがどんなに幸せか考えるきっかけになればいちばん良いのでしょうけれど・・・
投稿: うめももさくら | 2007.06.30 16:19
うめももさくら さま>ブログにお立ち寄りいただきありがとうございます(^^;しかも書き込みまで頂いて恐縮です。
古い道具や着物をきっかけにでもいいからその来歴を知り、当時の時代背景と史実を受け入れもらえたら、きっと平和を考えることに繋がるのではないかと思います。ただ、歴史を客観的に知るということは、多少の気合が必要ゆえに、真っ向から受け入れられない部分があるのでしょうね。
モノだけでなく、街の姿や町名も同じだと思っております。
投稿: 新井ひで | 2007.07.01 23:57