INAXギャラリーへ行く
さかのぼれば学生時代から、いわゆる建築雑誌がどうにも苦手だった。長い間理由がわからなかったのだが、あるとき「人が写っていない雑誌」とあって、そうかと納得した。
それに反して、必ず人の入った写真を使うのが雑誌「室内」のポリシーだった。連載も実用的で、部分的にコピーをとって自家用の資料にしたものも、未だに手元に残っている。
そのうちに執筆陣が建築関係以外・・・作家やエッセイスト、イラストレーター、写真家と多種多様な人々が出入りしているのに気づき「妙な雑誌だな」と思うようになった。それが編集発行人、山本夏彦氏を意識した最初だったと思う。
コラムニストでもある氏の文章は辛口で、簡潔。しかも「インテリア」の言葉がない時代から続く雑誌なので、日本の室内装飾においては生き証人のようなところがあった。だから氏の訃報を新聞で読んだときには、残念・・・としか言葉がなかった。
昨年からスタートしてようやく東京に巡回した「室内の52年」展はそんなインテリア雑誌の歴史が凝縮された企画展である。個人的に思い入れがあるせいか、狭い会場ながら「よくぞ詰め込んだ」と嬉しくもあった。
写真の展覧会ブックレットは、実は1年前から入手していたもの(^^;
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コメント
濃縮度の高い展示会ですよね。
2回も見に行ってしまいました。
室内自体を読むことは無かったのですが、夏彦さんのコラムは追いかけるように読んでいた時期があります。
道具のところが良かったな~、秋岡芳夫さんの名前もありましたね。
ところで、1Fの内装見ましたか?あのショールーム先月改装オープンしたんです。1Fの受付が全面白モザイクタイルで曲面出していて、気持ち悪いです。外装はタイルに絵を焼き付けたんですよ、でもこれも趣味悪いと思っています。
投稿: うき | 2007.07.20 14:02
うき さま>すでに2度もご覧になっているのですね(^^
私は氏の文章を読み始めてから、他の文章が読めなくなりました。
個人的にスタートがインテリア事務所だったので「室内」は愛読というよりも、「お世話になりました」という感じ。
そうそう改装のおかげで、東京巡回が遅れたんですよね。エントランス部分、チラと見ましたがああいう曲線が流行なんでしょうかねぇ。
なにより書店部分と分かれてしまったのが不便です。
投稿: 新井ひで | 2007.07.20 20:15