何が困るかというと
再三書いている「建築確認申請」。
「関係ない」と思う向きも多いと思うが、今回の改正で現場が困っているのはそこの所。
家を建てた経験のある方ならお分かりと思うが、姿形のないうちから部材や仕様を決めるのは非常に難しい。一生のうち何度もあるわけでなし。かといってカタログやショウルームだけで全体像を把握しろというのは心もとない。
そんな時、今までだったら、ある程度形が出来上がってから「やっぱりこの仕上げは変えたいわ」とか、「これは最後に決めましょう」なんて事が可能だった。後から「変更手続き」を行えば良かったのである。
それが今回の改正では、間取りや仕上げを変えたら「変更」と見なされて「確認申請の再審査」となってしまう。つまり、変更があれば2度3度と審査を受けなければならない。
この審査、無料ではない。その都度「申請料」を払わなくてはならないのだ。
もちろん再審査の分、時間もかかる。当然、工期も延びる。
求められる書類の分量が増えたとか、システムが変わったことも大きいが、施主(エンドユーザー)に情報がほとんど伝わっていないのを嘆く声もよく聞く。だから、設計者が説明しても「そんなの聞いていない。工期が遅れたら契約違反。」とか「申請料の値上がりなんて知らない。払いたくないよ。」なんて文句が出てきてしまう。
まぁ、経済的方面でもようやく影響が数値で現われてきたので、今後は積極的にPRしていただきたいものである。
というか、このシステムで審査逃れがなくなるか?という疑問がなきにしもあらず。
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