始まりを考える
「着物コモノ」という企画展の裏方をしている関係で、和装について読んだり聞いたり考えたりすることが度々ある。ここのところ気になっているのは「洋装の黎明期」。
江戸が明治になって西洋文化が入ってきたのは当然だが、教科書に出てくるのはフォーマルなスタイルの絵ばかり。では普段着としての洋装はいつから一般に広がったのだろうというと、男性は関東大震災が一つの転機女性は太平洋戦争後・・・というのが区切りらしい。
実際大正期の写真を見ると、後半になるに従って男性と子供の洋服姿が目に付く。女性は上流階級であっても普段着は和装姿が多い。
「でも南蛮貿易の時には定着しなかったよね。」とは相方の弁。
専門じゃないからなんとも言えないが、「軍隊」が洋服を採用した影響も強いのではないかと。日本で最初に放牧した羊は、軍服用にウールを取るために飼育されたはず。残念ながら気候が合わず定着しなかったが、軍隊が洋服を量産しようとしていたことが伺える。ちなみに下写真の本を見ると、幕末は和洋折衷な不思議なスタイルが多い。
また、日本はアジアを脱却して欧米諸国に並ぶべし、なんて当時の思想も軍隊の西洋化を後押ししていたのだろうと思うのだが。と、ここであることに気づいて相方に聞いてみる。
「あのさぁ、若い人に(だつあにゅうおう)って言ったら漢字変換できるかね?」
「・・・無理でしょ・・・」
まぁ、そうだとは思うけど・・・日本の言葉も歴史も文化も、大丈夫だろうかと思う瞬間。(→脱亜入欧。今時の教科書には出てないかな?)
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